BASARAの石田を幸せにし隊。

戦国BASARA3の石田三成をひたすらに応援するこっそり避難ブログ

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小噺・夏の大坂城にて。

夏コミにて無料配布させて頂いた本に載せた、書き下ろし
「半兵衛と三成・親子小噺」
で御座います。

折角なので、こちらにても公開させて頂きます。いつも頂いている拍手の御礼に成れれば幸いです…
短いけれど、「豊臣軍に入り隊」な各々方に楽しんで頂ければ幸いです…

その間に賜ったものの加工とか、一万ヒットイラストとか、着手…!!

『秀吉の枷』@加藤廣
『花妖譚』@司馬遼太郎

を買ってきました。
久々に時代小説活字。読んで勉強するのです。もっと時代劇っぽい言い回しとか文体使えるようになりたいのです。
『秀吉の~』の方は初っ端から、半兵衛が

「秀吉…君なら信長なんか踏み台にして、天下獲れるからッッ…!!」
「逝くな、半兵衛!!」

↑以上、BASARAフィルター意訳でお送りしました。
な、うえに三成が小姓で登場しておるわと、凄い豊臣軍です。わくわく。
思うに、BASARAって「超訳・戦国時代~現代若者向け~」なのかもしらん。



さわさわと、夏の桜の濃い緑の間から、蝉の鳴き声がよく通る。
今年の夏は暑い。
強すぎる陽射しに、仮面に守られた紫苑の瞳を細めながら、竹中半兵衛は二つの意味で溜息を吐く。
やがてひんやりとした廊下から、音も立てずにすらりとした影を忍ばせて、呼び出した石田三成が部屋の入り口で平伏し「お呼びで御座いましょうか」と、畏まっていた。
「三成」
その声音は至極優しく、なるべく彼の者を傷つけぬように発せられたが。
はあ、とひとつ溜息を吐いて、半兵衛は眉を微かに顰めて続けた。
「ここに座りなさい」
「はっ」
白月の羽織をすす、と鳴らしながら一分の隙もない美しい作法で、三成は半兵衛の前に、これまた幼い頃からなんら変わらぬ几帳面さで佇む。
だが、成長した細面の切れ長の目は伏せられて、それなりに覚悟を決めてきちんとこちらの言葉を待っているのがうかがえた。

   賢い子なのだが。

もう一度溜息を吐くと、半兵衛は切り出した。
「同じ豊臣門下の重臣達を、殴り倒したそうだね」
三成は石のように微動だにせず、「…はっ」と肯定した。
「同じ豊臣の紋の旗を掲げる者に、手を上げたんだね?」
半兵衛の追及に、今度は――ぐ、と、三成が拳を握り締めるのが、分かった。
「戦場だったら、同士討ちだ」
乾いた声音でそう言い放つと、半兵衛は用意させた透明の薩摩切子の水差しから、冷やした緑茶をグラスに注いで少し飲んだ。
それから、もうひとつのグラスに同じ様に冷茶を注ぎ、三成の前にす、と差し出したが。
其れに手をつけず、三成は――明らかに悔しさを顔に表し、薄い唇を噛み締めていた。
「云いたいことがあるのなら、云ってごらん」
打って変った優しい声音でそう尋ねられ、三成がはっと顔を上げる。
半兵衛は、宥めるような視線でその苔色のびいどろ細工のような眼を捉えた。
「云いなさい。ここには今僕ら二人だけだから、ゆっくりと。ちゃんと云いたいことを言葉にして云いなさい」
「……あの、者達は」
三成が、途切れ途切れに必死に言葉を探し出す。
「刑部の陰口を叩いていたのです」
くしゃっと崩れる顔は、まだまだ幼い。あどけない。困ったように頷きながら、半兵衛は続きを促す。
「確かに刑部の病を、前世での罪業の成れの果てと申す者もおります。しかし、それは過ぎたこと。今生の刑部は、今生の刑部です。生まれついての罪人では御座いません」
「うん」
「見た目の美しさ醜さなど、私には関係ありません。刑部は悪人ではありませぬ。私に、秀吉様の為なら命を捨つる覚悟あり、と誓ってくれた友に御座りますれば」
きっ、と。
苔色のびいどろが、夏の陽射しに強く煌いた。
「本人の前で堂々と云えもせぬ戯言を吐く輩共を、友の為に…に…」
はっと。自分が感情に任せて熱を込めて一方的に喋っていたことに、三成は恥じ入るように顔を赤くして、うつむいた。
その顔をじっと見入った後、半兵衛は静かに応えた。
「僕は君を誇りに想うよ。佐吉」
その言葉に、三成が驚いて顔を上げる。
「美しい心だ。僕でもそうする」
そして、にっこりと女人のような蒼褪めた唇が、弧を描いた。
「…半兵衛様…」
ふわっと、三成の纏っていた緊張が一気に解ける。やはり、この人は解ってくれている、と。
「でもね、佐吉」
す、ともう一度その子に冷茶をすすめてやりながら、半兵衛は続けた。
「君はもう立派なもののふ――以上に、豊臣の重臣なんだ。朝廷から位も賜っている。もう、大人なんだ。解るね?」
「…はい…」

甘やかし過ぎた。
今になって、つくづくそう思う。
幼い頃の病弱に加え、自分と同じ真白の毛色故、どうしても「この子だけは」と必死に守ってきてしまった。

秀吉にしても、「あまりおのこに手をかけてはならぬぞ」とは口ばかりで、地方に出向けばなんや三成――佐吉への手土産は欠かさぬうえ、やれ怖い夢を見た、と泣きやまぬ夜などは乳母から取り上げて「豊臣の子は強くなければならぬ」とあやしていた始末だ。
大坂城のような――悪くは云いたくないが、主に頭を垂れながらも、虎視眈々と己の覇権を狙う諸大名が潜む、蛇の巣穴のようなところで政にも関わるようになれば、自然と狡猾さも身につけようと、思っていたが。
いつまで経ってもこの子は。
その透き通る苔色の瞳のように、心は無垢で真っ直ぐすぎるまま。

「もう少し、僕の狡賢さを教え込むべきだったね」

独り言のように発せられた半兵衛の言葉に、子供のように冷たい茶をすすっていた三成が、きょとん、とする。
「僕が居なくなったら、君は一人でちゃんと立ち回れるだろうか」
「半兵衛様が居なくなる?」
途端に、三成の顔が“佐吉”に戻る。

   はんべえさま はんべえさま
   おかえりなさ い  おかえりなさい

戦から帰ってくれば、必ず泣きながら飛びついてきた、小さな佐吉。
苦く、だが心から愛しく想いながら、半兵衛は続けた。
「それはそうさ、親より早く子が死ぬ不幸なんて、僕は御免だよ。それともなにかい?君は秀吉や僕を置いて、先に戦場に散る気かな?僕らを泣かせるつもりなのかい?」
「そのような!ことっ…は…」
思わず叫んだ後、三成は再び顔を赤くして、呟いた。
「申し訳ありません。私は、早く半兵衛様のような立ち振る舞いが出来るようになりたいのに」
じりりり、という蝉の鳴き声が、いつの間にか、かなかなかな…という涼しげなひぐらしの鳴き声に変わっていた。
「…そうだねえ」
半兵衛がゆっくりと、美しく夏の夕焼けに染まる大坂城の庭を見やる。
もちろん、三成が自分のような狡猾さを身につけてくれれば色々な心配事が減るだろう。
たとえば、今話した身内にさえ容赦のない制裁の仕方とか。
「でもね」
やっぱり甘いな、と想いつつも、最後はこう云ってしまうのだ。
「僕は今のままでも、佐吉のことを誇りに想っているよ」
と。
目の前で、貰われてきた頃とまったく変わらぬ無邪気さで、切れ長の瞳がくしゃりと細められた。

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Author:ゆみのや
戦国BASARA3の石田三成にぞっこん一目惚れいたし
こっそり応援し隊所存にございます。

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