BASARAの石田を幸せにし隊。

戦国BASARA3の石田三成をひたすらに応援するこっそり避難ブログ

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

音に鳴きぬべき

いつも拍手にご来訪ありがとうございます

1122(いい夫婦)の日、今年は

まつみよ年の差夫婦

にて候…!!

私の中ではまつみよ夫婦なんで。ええ。親子くらい歳の差のある。
4設定で、ちょびっと慶輝設定も含んでおります。

何故だ…こんなにしっくりくる夫婦おらんのに、どうして増えないのだまつみよ……あがががが;;;




 主の愛でる逸品のひとつの手入れを済まして桐の箱にしまい、蓋を閉めようとした手がふいに止まり、青年はざわり、と胸騒ぎを感じて眼を泳がせた。
 よい子で待て、と情人(こいびと)が己を押し留めるが故に、焦がる心を押し殺し留守を与かる身なれども。
 心はいつも、留守にしている主を想い上の空であった。
 何よりも胸ざわつかせるのは、主が育てる無色の風の化身――人のカタチをしてはいたものの、ソレは確かに“人”成らざるモノだと。そんなモノを傍に置いて、一体どうしたいのだろうと。問うてもどうせはぐらかすだけだろうし、と黙っていたけれどどうしても。何故己を連れて行ってくれぬのだろうと悶々と多聞山城でただ帰りを待ち焦がれるだけの日々。
 
 お前は愛でられるだけでよいのだ

 酷く甘ったるく低く囁かれれば、黙って頷くしかなく其の背を見送ったが。
「……久秀様?」
 青年がそう呟き、城の正門のほうを見やった時だった。
「――おい、兄者」
 豪奢な金箔で彩られた襖が開かれて、己と同じ顔を持つ双子の弟がぶすっとした顔で告げた。
「帰ってきたぞ」
 その言葉に、兄者、と呼ばれた青年――三好長逸は思わず立ち上がり「殿がか」と双弟に問えば。
「ああ」
 と、双兄の早乙女のように浮き立つ表情に益々ぶすっとしながら、顎で正門の方を指したので、長逸は風のように袴の裾を鳴らしながら、待ち焦がれたひとを出迎えに走った。


「――弾正様、ご帰参!!」
 城門の番兵が声高らかに告げると、重い音を立てながら門が開かれ、既に馬から降りていた松永弾正久秀の姿が見えたので。
「久秀様」
 長逸がそう呼びながら近づこうとしたが、すぐに彼の様子がいつもと違うことに気付き、歩を止めた。
 いつもなら目を合わせて微笑むはずのひとは酷く仏頂面のまま、己が城に足を踏み入れた途端、ばさり、と。右手を包んでいた真白の手袋を地面に投げ捨てたので。
 長逸は目だけでソレを追った後、主の顔を改めて見やれば。
 
 嗚呼、これは相当――不機嫌だ。

 即座に彼の足元の手袋を拾うと、長逸は松永の背に続きながら控える小姓に「すぐに湯を用意しろ。おみ足を洗い、甲冑をお預かりせよ。殿は疲れておいでだ」と命じた
「灸をしたい。長逸、用意しろ」
 低くそれだけ云い放ち早足で進む松永の様子に、長逸は何かあったのだな、と。だが口には出さず「直ちに」と応えて彼の背に続いた。


 機嫌が悪い時の彼に近づける者はほとんど居らぬに等しく、下手に探ろうとすれば逆に火に油を注ぐだけ、と家中の者は知っているので。
 長逸が「もうよい、皆下がれ」と云えば侍女らさえも安堵の溜め息を吐いてそそくさと部屋を出て行き――
 無言のまま上半身を肌蹴てどっかとうつ伏せる彼の様に、長逸は灸を入れた箱を引き寄せながら

 小供のようだ
 
 と。困ったように気付かれぬように溜め息を吐いて、静かに疲れを滲ませる厚い背中に長い指を這わせた。
「ここ?」
 長逸が小さく問えば「いつもの位置でいい」と低い声で返答がしたので、仕方なし、とそれ以上何があったかとは訊けずに、慣れた手つきで灸をすえだした。
 
彼の筋骨逞しい背中に細い指を滑らせ、灸を置きながら想う。
 最初でこそ親子こそ歳の離れたひとであったが、近づけば近づく程、解るのは彼の己が心に対する素直さと、したいがままにする小供のような解り易い感情の様だった。
 機嫌のよい時は突然「茶会でもするか」と何の準備もしていない周囲を慌てさせたかと思えば、何が気に喰わなかったのか――不機嫌な時は己に叛心を抱くものを急に藁に巻いて炙ったりと、まるで小供が蛙に火薬を詰めて遊ぶかのようにする。
 ソレがあまり表に知られないのは、彼の抱える「感情の数が少ない」だからだろうと。長逸は並び終えた灸に線香で火を点けながら想う。
 そう、感情の数が少ない。
 時折――戦の最中にも「私はどうも」と。
 己の掌を見詰めながら、彼は欠けた穴を探るように、小供のように呟く。
 そう、小供のようなのだ。
 かつて、三好一門を京を席捲し足利将軍家を押しやるまでに育て上げたこの梟雄は。本当は無邪気な小供のように、善悪など識らぬと云う顔でしたいことをし、やってのけて今――己を手に入れてこうしている。
 かつては一族の仇、と其の首を望んだくらいなのに。
 何故自分はこの男を愛して一族を見捨てて、気も狂わずにこうしている。
 いや。
 こうして御屋形様――三好長慶の仇を目の前にしても、もうただ“いとおしい”としか想えない時点で、自分は狂ってしまったのだ、この男に、と。
 其処まで逡巡を重ねて、彼の逞しい背骨に指を這わせたら、ふいに「くく」と男が哂うものだから「如何したのです」と、長逸が静かに問えば。
「いや、かつての三好の御曹司に灸をさせるとは」
 私も随分な身分になったものだ、と突っ伏しながら自嘲するように云うので。
「何を今更」
 と、長逸も思わず笑んだので。
 久秀はまだ火の残る灸をそのままに身体を起こして胡坐をかくと、長逸に向き合い雪のような白い頬に大きな手を添えた。
「菫の花のように無垢なお前を手折った」
 其の言葉に、長逸の笑みが引いて瞳が見開かれた。
「此の世の美しいモノすべてを奪ってお前の前に捧げても、決して赦されぬコトをした」
 偽れなかった、と。男は続けた。
「恋とは実に怖ろしい」
 親指でゆっくりと頬をなぞられれば、あまりの甘美に身が凍ろう。
「私は今でも――」
 こうして。
 其の先の言の葉を紡げずに、伏せられる琥珀色の二重の瞳の暗い光に、吸い寄せられるように長逸が「久秀様」と。彼の手に己の手を重ねながら云った。
「よいのです」
 うら若い情人の言葉に思わず顔を上げて、暫しひたと見詰めた後――矢張り出てくれない言の葉に、久秀は苦く笑って
「私はどうにも、感情の数が少ないらしい」
 と、呟いた。
 


最初に伝えられた時は信じられない、と長逸は目を瞠り「貴方のように茶道や歌に通じ、数寄に富んだ御方が?」と問うた。
「貴方はとても豊かに美しいモノを蒐集められ、豊かな言の葉で愛でられます」
 長逸が酷く戸惑いながらそう云えば、梟雄は酷く――何の感情も宿さぬような不思議な瞳でうら若い情人を見詰めた後。
「そんなモノは、只の言葉に過ぎない」
 と。
「お前が私を見詰める眼がギヤマンのように七色に変幻自在に変わることを想えば、私のお前を見詰める眼の色の、なんと単調なことか。お前の気品と教養は、三好の御曹司として――生まれ持ったモノだ。だが、私のモノなど――所詮付け焼刃に過ぎん。名も無き街道に名も無き迷い子が、梟が……天照らす頂を掠め獲ろうと孔雀の羽根を盗んで纏ったが如く、だ。お前の美しさに比べたら、此の身は卑しい夜の盗人に過ぎない」
 ふいに空しく虚空を見詰めるひとの様に、長逸は息を止め――それから。それから、ゆっくりと彼の頬を、髭を撫で撫ぜながら、長い睫を伏せながら云った。
「それでも、貴方は美しい」
 そうしてゆっくりと彼に覆いかぶさってくちびる重ねて、すべての罪を置き去りにして抱き合った――何度も重ねた夜。


 
「憎んではいないのか」
 ふいに想い出から彼の声で今に引き戻されて。
 長逸はぱちぱちと長い睫をまばたかせながら、「何を今更」と。久秀の頬を撫でながら小首を傾げて。
「妬いていない、と云えば嘘になりましょう。何故俺を連れて行って下さらなかったか、あのヒト成らざる忍びを従えたのか、何故公方の身を立てるのか……でも、今でも恋しいのだからどうしようもない」
 そうでしょう?
 そう云って、長逸が笑えば。
 梟雄は信じられない、というように逆に目を見開いた後――伏せた。ので。
「何があったのです?」
 長逸が静かに問えば。
 酷く深く鼻で息を吐いた後――松永は地を這うような不機嫌な低い声音で、答えた。
「帝が前田に降ると」
「――は?」
 思わず間の抜けた声を出したことを後悔しながらも、長逸は続けずにはいられなかった。
「降る? 前田が帝に、ではなく?」
「まったく、つまらぬことになった。所詮彼も人の子であった。まさかあんな小童に絆されるとは」
 帝が前田慶次と応仁の乱の跡で、対峙して。
何があったのか――信じられないことに前田慶次に敗れた彼は、命を獲られずにそのまま彼の手を取った、と。
友垣、とやらに成ったらしい、と久秀が語れば。
 長逸は眉を顰めながら口をあんぐりと開けて――「征夷大将軍が!?」と、思わず仰け反った。
「そうだ」
 不機嫌を取り戻して眉を潜める久秀は、もう一度肩で息を吐きながら。
「あの少年に何を吹き込まれたのか……帝は前田家に下る、と宣誓したよ」
 其の事実に、信じられない、と長逸が額に手をあてながらふら、と仰け反った後。
「それで、どうなさったのです?」
 と、強い口調で久秀に問うた。
「前田家に下る、と云われて――」
「焼いた」
「は?」
 長逸が益々困惑した顔で、焦茶の瞳を見開けば。
「直ぐに消火されたが」
 と、松永は益々低い声音で答えて。
 彼の背中に残った灰を落としながら、長逸が目を泳がせた後――
「……つまり、将軍足利義輝が、本当に其の地位を棄てて前田家に降った、ということですか?」
「そういうことだ」
 更に低い声音で答えながら、もう一度彼が溜め息を吐いたので。
 長逸は彼の腕を取って「なんということ……」と、露わになっている広い肩から腕へと手を滑らして暫く擦っていたが。
「……それどころか、私に“共に前田家に下らぬか”と云ってきた」
「は!?」
 あまりにも素っ頓狂な声を出してしまった、と思いつつも、長逸は正座したまま滑るように松永の正面、膝が当たるほどに詰め寄り困惑のままの表情で問い質した。
「前田に? 久秀様、貴方を連れて行こうとしたのですか? 公方が?」
 長逸の大きな焦茶色の瞳が益々大きく見開かれて、小供のように顔色を変えたものだから。
 思わず久秀がクク、と笑うので「笑い事では御座いません!」と、長逸が真剣に詰め寄ると――
「フ……そうだな、笑い事ではない、笑い事ではないのだが、なあ長逸、帝は私になんと云ったと思う?」
「……は?」
「“予は其の方は、慶次が思うておるほど悪い輩ではないと想っている”と」
 そう云ったのだ、と。
 何処か寂しそうに瞳を細めるものだから、長逸も呆けるように彼の顔を見上げるしかなくて。





 そうだな、喩えば。

 賽の帝はちぃとも悪びれず、こう云った。

 年貢を納めぬ農民共を、蓑でくるんで焼いたこと、其れは庇護を享ける代償を納めぬ者の方が悪い。
 
「其の方はいつも理にかなった正しい行いをしている。ただ、手段が少々苛烈なだけだ。世の者共が其れを“残酷”だと云うのは、其の方のような己が正しい、と思った行いを為す力が無いのでそう思うだけであろう。嗚呼、そうそう、尾張のうつけ、魔之朋は違うかもな。其の方によく似ているな。彼も己が信じた道を、苛烈に突き進むが故に“魔王”呼ばわりされているが、予はあんなに人間らしい生き様はないと見ているぞ」

 おっと。噺が反れた、と変わらずに笑みながら。
 義輝はこう云った。

「久秀よ、只己が欲のままに此の創世乱世を飄々と飛んでみせる梟よ。予は其の方が好きなのだ。だから、共に来て欲しい」

 そう云って手を差し出した無邪気な小供を――小供の心のまま、天下を、将軍としてすべてを背負わされた無垢なるモノの手を。
 掴めずに思わず焼いて消されて、「そうか」と。
 お互いに、もう同じ道には立てぬのだと――踵を返して、決別した。





そうして今、こうしてお前の元に居る、と。
 梟雄は琥珀色の瞳を今一度細めて。
「……なんと、いう……」
 信じられない、と。
 長逸はもう只々呆れ果てて――
「……あまりにも、奔放……」
「――そうだな」
 ふ、と鼻を鳴らしながら。久秀が答えた。
「だが、私もお前も同じようなモノだよ。その決断が、言葉が、一族郎党と其の元に在る民たちの命を、時代を左右すると知っていながら、結局は己のしたいようにする――どうでもいいのだ。只、己を満たせるモノを追いかけ求めて……」

 抗えない。

 そんな風に切なく呟く彼の表情に、長逸は云った。
「……好いておられたのですね」
 酷く静かに。
 青年が己の瞳を臆せずに真っ直ぐに見詰めながら、感じ入るように告げた。
「貴方は、あの御仁を本当に好いておられたのですね」
 とても無垢な瞳で、真っ直ぐに云うものだから。
「……怒らないのか」
「今更です」
 なんということもなし、と。長逸は灸の入った箱の蓋を閉めながら云った。
「貴方が俺と云う存在だけで満ち足りる御方では無いと、分からいでと想うてか」
 ふいに挑むように見詰められれば、逆に微かな驚きで目を瞠るしかない己に、松永の表情が緩んだ。
「そんなコト、百も承知で貴方のモノに成ったのです」
 はあ、と。少し疲れたように長逸は溜め息を吐きながら、長い睫を伏せた後――ほんの少しの躊躇いの後。挑むように情人の琥珀色の眼を見据えながら問うた。
「でも、最後には俺の処へ帰ってきて呉れると」
 
想っております故
 
 消え入るように早口に云った後、まるで早乙女のように頬を染め眉を潜めながら青年が俯く様は。
 嗚呼、あの日、大仏を焼くことは出来てもコレを殺めることが出来なかった――焦がれる想いが焔のように甦ったので。
「あ」
 急に押し倒されて、青年の豊かな緑の黒髪が、上質な畳の上に流れた。
「我が園の、梅のほつえにうぐいすの……」
 ふいに梟雄から紡がれた歌ではあったが、其の続きを自然に、組み敷かれた青年は歌った。
「――うぐひすの、音に鳴きぬべき……」
其の先の言の葉を想い出し、はっとして長逸は息を止めた後――
「……本当に?」

 そう、想っている?

 ふいに青年が泣き出しそうな顔をして問うてくるので。
「嗚呼」
 と。
 男は低く艶やかに、想い人の頬に指を這わせながら応えた。
「しているよ」
 
 我が心から。

 その応えに、青年の瞳が一気に潤んでほろり。
 彼は己の下でひとつ泪を零して健気に微笑んで見せたので。

 男もまた静かに微笑み返した後、静かにくちびるを重ねて彼に覆いかぶさり、着物の衿を掴んで開いて、無垢な胸に手を忍び入れた。
 光る君が若紫の褥でするが如くに。



Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

ご案内

プロフィール

ゆみのや

Author:ゆみのや
戦国BASARA3の石田三成にぞっこん一目惚れいたし
こっそり応援し隊所存にございます。

最新記事

最新トラックバック

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。